◆国内女子プロツアー<資生堂レディスオープン 6月30日~7月3日 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県) 6570ヤード・パー72>
資生堂レディスで、大会中に24歳になった勝みなみが5位タイに入り、自分の言葉に責任を持って突き進むことを宣言した。
「今、持ってるものを使って楽しみながらラウンドした結果」
6バーディー、1ボギーの5アンダー67。通算11アンダーの5位タイで最終日を終えた勝が、笑顔を見せた。
初日、3オーバーとふるわず、90位タイと出遅れたが、24歳の誕生日を迎えた2日目に5つスコアを伸ばして35位タイに浮上。3日目に4つ、最終日に5つと連日スコアを伸ばして、優勝した青木瀬令奈に3打差まで迫った。
「初日が90位だったので、そこからこの位置まで持ってこれたのは自信になったなと感じます」と話すのは、粘り強くプレーすることができたから。「ゴルフの調子がよくなってきているので、自信を持って楽しく、今、持ってるものを使って楽しみながらラウンドした結果」と胸を張る。
24歳になってからの3ラウンドすべてがアンダーパー。その結果には、「たまたまかもしれないですけど、焦らず自分のペースでどんどん上位を狙っていけたらいいなと思っています」と、マイペースを貫くことを宣言している。
15歳でツアー優勝 若手が躍進するムーブメントの原動力
高校入学後、1か月も経たない15歳293日でKKTバンテリンレディスに優勝した日から、早くも9年が経過した。勝が優勝した2年後に、畑岡奈紗が高校3年生で日本女子オープンに勝ったのも、渋野日向子が2019年全英女子オープンに優勝したのも“同期”の刺激があったからこそ、と言っても過言ではない。勝は、黄金世代と呼ばれ、現在のツアーを引っ張る1998年度生まれの仲間たちを、常に引っ張る存在でもある。
また今では、黄金世代の活躍を見て育った下の世代が、「自分たちにもできる」と貪欲に上を目指している。2013年の勝の優勝が、そうしたムーブメントの原動力の1つになったことは間違いない。
海外志向を抱きながら、国内ツアーで積み上げた実績は通算5勝。昨年の日本女子オープンでは、2位に6打差の圧勝で実力を見せつけた。
今季は未勝利だが、これが5度目のトップ10入り。コツコツとプレーして結果を積み重ねている。
24歳になった自分とこれからの自分
大会2日目に24歳の誕生日を迎え、スタートコールでそのまま紹介された。「めっちゃ恥ずかしかったです。でもやっぱりうれしかったですね」と赤面した一方で、いまの自分に責任を持とうという気持ちも強い。
数字的な目標は(シーズン)3勝以上。「メジャーも1勝したいと思っています。簡単じゃないことはわかっているんですけど、いま自分が言ったことは達成したい」と、目標に向かってただただ努力を続けている。
「(24歳の)年女って次、36(歳)なんで、その時にまだゴルフしているかわからない」としながらも、そこに向けて自分で決めたことはやり切ることにしたと言う。
24歳の勝にはまだその感覚がなくて当たり前だが、ツアー初優勝の15歳から24歳までの9年より、24歳から36歳の12年の方が、体感として速いのが一般的だ。日々の努力の積み重ねが形になるのを実感していく中で、勝がそれをどう感じるのか。今後が楽しみだ。