◆国内女子プロツアー<資生堂レディスオープン 6月30日~7月3日 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県) 6570ヤード・パー72>
吉田優利が、ツアー3勝目に近づく手応えを感じている。資生堂レディスの最終日、1打差からの逆転を狙った吉田だが、2位タイに終わった。それでも、自信と今後へのはっきりした方針が見えてきている。
バンカーからのバーディー締めで存在感
最後の最後に大ギャラリーを沸かせた。
最終組で一緒に回っている青木瀬令奈が、通算14アンダーで第2打をグリーンに乗せたのに対し、3打ビハインドだった吉田のティーショットは右のバンカー。左足はバンカーの外という難しいライだったが、残り135ヤードを8Iで3メートルにピタリとつけた。これを沈めてバーディーフィニッシュ。拍手に、笑顔でこたえた。
青木には2打及ばず2位タイに終わったが、「1日3アンダーペースで回れたってことは本当にいい点だったと思います」と胸を張った。
最終日は「あまりうまくスイングできていない日だった」と言いながらも、忍耐強くプレーして4バーディー、2ボギー。上がり6ホールで4つのバーディーを奪ったことで自信をのぞかせた。
これで今季は17試合に出場して、5試合でトップ10入り。昨年のゴルフ5レディス以来のツアー3勝目に向けて、「2打足りなかったところは練習して次につなげたいと思います」と、目を輝かせた。
優勝の副賞がモチベーションだった⁉
自他ともに認めるツアー有数のコスメ好き。それだけに、優勝の副賞だった「資生堂化粧品100万円分」には大きな魅力を感じていた。
「資生堂さんっていうのはいっぱいブランドがあって、ドラッグストアに売ってるものからデパコス(デパートコスメ)まで幅が広いので、いっぱい試せる機会になるんじゃないかと思います」と、首位に2打差4位タイの好発進をした初日に口にしていた。
主催者である資生堂のヘアメイクアーティストがドレスアップをサポートしてくれる前夜祭でも、気持ちはアップ。「化粧するのも自分磨きの1つ。私は特にそういうのが好きなのでテンションが上がりますし、そういうので気分良くゴルフ出来たら、すごくみんないいんじゃないかなと思います」と、興奮気味。様々な商品や、プロのヘアメイクの技術を見て学び、コスメ好き、メイクアップ上手に磨きをかけて本戦に臨んだ。
あと2年で世界クラスのフィジカルに
2019年にプロテストに合格した吉田は、今年がプロ入り3年目となる。1年目の2020年が、新型コロナウイルス感染拡大のため試合数が激減し、2021年と合わせたロングシーズンとなる異例の事態にいきなり直面した世代だが、実質1年目の昨シーズンに2勝と、しっかり結果を残している。
その中でプロとしてやっていくためのベストを探し求めてきた。体重コントロールは、その大きな部分を占める。「体を絞ってみたりとか、食事制限をしてみたりしなかったり」と、試行錯誤した結果も出てきている。「ある程度、体重があった方がゴルフをするにあたってすごく状態がいい」。食事をきちんととって、体を絞り過ぎずに戦い続ける自分のスタイルを見つけた。
まだ22歳だが、24歳までにフィジカルを整えたい気持ちが強い。「体の成長って女性の場合だと24歳までっていうのが基準になっていて、細胞レベルっていうか身体を大きくするためには自分にはあと2年しかない。必死に頑張ってフィジカル面を世界クラスに持っていけるように必死で頑張りたいなと思っています」と、集中して体づくりに励んでいる。
毎朝のトレーニングも欠かさない。ルーティンをしっかり定めてプレーを続ける22歳。ツアー3勝目はそう遠いことではなさそうだ。