プロ入り初優勝へ安田祐香が2位タイ浮上。単独首位の勝みなみは全英出場に意欲

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念願の初優勝へスコアをのばした安田祐香 写真:Getty Images

◆国内女子プロツアー<楽天スーパーレディース 7月28日~7月31日 東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県) 6616ヤード・パー72>

安田祐香が、初優勝に向けていい位置でムービングサタデーに臨む。楽天スーパーレディースの2日目、4バーディー、1ボギーと3つスコアを伸ばし、首位の勝みなみに4打差ながら2位タイへ浮上。念願の初優勝が見えてきた。

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初優勝が見えてきた安田祐香は体調との戦い

 体調が悪くてもスコアがいいことがあれば、体調がよくてもスコアがぼろぼろのこともある。ゴルフのそんな面白さを体現したのが、この日の安田だった。

 「結構暑くて集中力が欠けそうになったんですけど」と言いながら、6アンダー4位タイでスタートした初日の夜に発熱したことを明かした安田。2日目が早い時間のスタートだったため昨夜の8時半にはベッドに入ったが、猛暑の中でのプレーの影響か、深夜0時ごろに寒気がし始めた。測ってみると「39度くらいまで上がってきた」という高熱、。解熱剤を使って熱は下がったものの、決して万全の状態ではなかったという。

 とはいえ、「しんどかった」という2日目も最近好調のパットが冴えて、4バーディー、1ボギー。通算9アンダーの2位タイと良い位置をキープし、ツアー初優勝が狙えるポジションにいる。

 滝川二高2年の2017年に日本女子アマで優勝し、2019年には第1回オーガスタ女子アマ3位タイと、世界の舞台でも活躍している。アマチュアとして出場したプロのツアーでは何度も上位に食い込み、古江彩佳、吉田優利、西村優菜など2000年生まれの“プラチナ世代”を引っ張ってきた存在だった。

 しかし、2019年のプロ入り後は、腰痛などもあって優勝は未だお預け。滝川二高でチームメイトだった古江が、アマチュア時代の2019年の富士通レディスで優勝してそのままプロになり、昨年は賞金女王争いを繰り広げるほどに活躍。今季は米ツアーのルーキーとして活躍しているのとは対照的だ。

 そのことについて聞かれた初日のホールアウト後には、「毎回、メジャーとかには出たいと思っているので、時間はかかっても、徐々に今日みたいなプレーが頻繁にできるように頑張っていきたいと思います」と、悔しさを抑えて冷静に口にしている。

 昨シーズンにシードを取れなかった安田は、QTランキング20位からリランキングでも13位につけたことでシーズン中盤の出場を続けている。大会前のメルセデスランキングがシード圏内の44位だけに、シードの心配を早くなくしたいところ。初優勝でそれがかなえば、メジャーの舞台はその先に見えてくる。

この日が23歳の誕生日の稲見萌寧は我慢の1日

稲見萌寧は同期の菅沼菜々と笑顔でポーズ 写真:Getty Images

 「ショットが良くなくて(ピンに)つかず、つかない分、なかなかうまくいかなかった」という稲見萌寧は、この日3バーディー、2ボギー。バーディー合戦が予想される展開の中、1つしかスコアを伸ばせず、通算9アンダーの2位タイと前日の首位からは後退したものの、優勝戦線にはとどまった。

 賞金女王に輝いた昨年の大活躍から一転し、今季は20試合でプレーして、優勝はリシャ―ル・ミル・ヨネックスレディスの1試合だけ。トップ10入りは11回とさすがのレベルを保ってはいるが、もどかしい状態が続いている。

 この日23歳の誕生日を迎えたが、「自分でお祝いすることはないです。ケーキを食べるくらい」と、相変わらずゴルフ一筋。それでも「結構誕生日の近辺でいいことが多いので、いいイメージしかないです」と口にしたように、ツアー初優勝を飾った2019年のセンチュリー21レディスの最終日は、誕生日前日の7月28日。銀メダルを獲得した昨年の東京オリンピックも8月4日開幕といずれも誕生日に近く、シーズン後半につなげるバースデーウィーク優勝をもくろんでいるのは間違いない。

 稲見のエンジンはすでに十分温まっている。楽天所属としてホステス役で初めて挑む大会で勝てれば、広告塔としても最高の“仕事”になるはずだ。

全英女子オープン出場決定にモチベーションが上がる勝みなみ

 勝みなみが、繰り上げ出場が決まった全英女子オープン(8月4日~7日、スコットランド・ミュアフィールド)への手土産となる優勝に向けて突っ走っている。

 初日、7アンダー65でプレーして首位に1打差でスタートすると、この日は暑い午後スタートをものともせず、ボギーフリーでプレーした。さらにスコアを7つ伸ばしての通算13アンダーは、2位に4打差をつける単独首位。シーズン初優勝にピタリと照準を合わせた。

 出場資格がダブったり、欠場者が出たりしたことで、ロレックスランキング50位以内の全英女子オープンの出場資格が、72位の勝にまで繰り下がってきたのだが、それを知らされたのは大会前日の朝のこと。1週間後の試合、しかもスコットランドということで、返事は保留にしたまま母に連絡し、本人はプロアマ戦に出場した。すると、ホールアウトした頃には、すでに母が飛行機から宿まで手配をほぼ終えており、迷う暇なくメジャー出場が決まっていた。

 このオフには米ツアーのQTを受けることを考えているほどの海外志向だが、新型コロナウィルスのワクチン接種などの問題があって、出場権があった全米女子オープンを断腸の思いで欠場した。それだけに、2年ぶりとなる全英女子への出場には意欲的。その前にツアー6勝目ができれば、自信を深めてメジャーに挑めるに違いない。

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