◆海外女子プロツアー<AIG全英女子オープン 8月4日~8月7日 ミュアフィールド(スコットランド) 6649ヤード・パー71>
3人の日本勢も踏ん張った。アシュレー・ブハイ(南ア)がプレーオフの末優勝し、渋野日向子が3位となったAIG全英女子オープン最終日(現地7日)。史上最多の12人が参戦していた日本勢の中で予選を通過した畑岡奈紗、山下美夢有、堀琴音の3人も、それぞれが大きな収穫を得た。畑岡、山下、堀の全英を振り返る。
安定の畑岡奈紗は今季2度目のメジャートップ10入り

パットが入らない中でも、畑岡は4つのバーディーを奪い、トップ10でメジャーを締めくくる意地を見せた。
日本勢3番目の2アンダー19位タイで最終日を迎えると、2番でボギーが先行。しかし、5番、12番、13番、17番と確実にバーディーを重ねていく。32パットと相変わらずパッティングのストレスはたまる内容だったが、それを乗り越えての通算5アンダー。レディア・コ(ニュージーランド)、ブルックス・M・ヘンダーソン(カナダ)らと並ぶ7位タイで4日間を終えた。
今季はこれでメジャーすべてが終わったが、優勝こそできなかったものの畑岡はすべてで予選を通過。いずれも30位以上に入っている。
中でも、全米女子プロ選手権(5位タイ)と今大会はトップ10入りしており、安定感は抜群だ。ショットはずっと悪くないだけに、残りのシーズンでツアー7勝目、8勝目を狙う気持ちをより強くした4日間となった。
「ホントに楽しかった」と笑顔が弾けた山下美夢有

満面の笑みで、山下が初めてのメジャーを終えた。
通算5アンダー5位から上位を狙った最終日。3バーディー、4ボギーと1つスコアを落としたが、「ホントにすごくいい勉強になりました。18番を上がると一気にうれしい気持ちになりました。前半ショットがブレていたのでバーディーチャンスがなかったのがちょっと悔しいけど」と言いながらも、笑顔が絶えることはなかった。
今年の全米女子オープンでメジャー2勝目を飾り、ロレックスランキング2位のミンジー・リー(ニュージーランド)と一緒にプレーした。
全米女子オープンにもロレックスランキングでの出場権があったが、山下は辞退している。その後、日本でもう1勝したことで自信を深めて今大会の出場を決めた経緯がある。その結果が、4日間戦って通算4アンダーの13位タイ。
「ホントに楽しかったので、メジャーに(もっと)出場したいので頑張ってやっていこうと思います」と、次の目標を決めた。
成長著しい堀琴音はメジャーで自信を深めた

堀も4日間を戦い抜いた。
この日は、5番で第2打を1メートルに寄せてイーグルを奪取。通算3アンダーにスコアを伸ばし、その後は2バーディー、2ボギーで、通算3アンダー15位タイフィニッシュ。しっかりと72ホールを完走した。
2016年全米女子オープン、2017年全英女子オープンと、過去に2回、メジャー出場経験があるが、いずれも予選落ち。その後、スランプになって、日本の試合にすらあまり出場できない苦しさを味わった。
そこから必死で這い上がって復活。2021年に初優勝し、今季も通算2勝目となったTポイント×ENEOS ゴルフトーナメントを含めて5試合でトップ10入りと、日本ツアーでは活躍している。
そんな中で出場したメジャーで最後まで戦ったことは、大きな経験として堀の血肉になっている。1つ1つやるべきことを積み重ねて大きな結果を出す。ここでの1打1打が、さらなる飛躍への助走となるに違いない。