◆国内女子プロツアー<ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント 9月2日~9月4日 ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県) 6465ヤード・パー72>
激戦の最終日、明暗がはっきりと分かれた。
プレーオフでセキ・ユウティンが吉田優利を下して初優勝したゴルフ5レディス最終日は、通算10アンダーの単独首位でスタートした勝みなみがスコアを伸ばせず5位タイで終戦。対照的に、堀琴音、尾関彩美悠、菅沼菜々らが猛チャージで上位に食い込んだ。
7位タイの尾関は次戦の国内メジャーに自信
最終日のバーディー合戦に、最初に火をつけたのは尾関彩美悠だった。
首位の勝には7打差、30位タイでの最終日。午前8時10分にスタートする準備を整えていたが、濃霧に“待った”をかけられた。霧が晴れるのを待って1時間20分遅れでコースに出ると、次から次へとバーディーを重ねていった。
2番、6番、7番、そして9番。フロントナインを終えて通算7アンダー。まだスタートしたばかりの最終組を横目で見ながら、リーダーズボードをスルスルと上がっていく。折り返しても勢いは止まらず、10番、11番、13番もバーディーで通算10アンダー。一気に優勝戦線に浮上した。
だが、右上にピンが切られた難しい14番パー3で3パット。続く15番でも3パットして連続ボギーを叩く。パー5の16番はバーディーとして立ち直り、通算9アンダーでホールアウトした。
「ショットもパットも冴えてくれたので、たくさんバーディーが取れました。ずっと最近ショットが悪くて、昨日今日で調子が戻ってきました」と笑顔の結果は7位タイ。今季3度目のトップ10入りとなった。
「来週の(日本女子プロ)選手権に向けて自信になりました」という言葉は、昨年のプロテストを思い出してのものだ。
2003年6月生まれの尾関は、岡山作陽高在学中にプロテストに挑んだ。6月の日本女子アマに優勝したことで、1次、2次は免除。11月に行われた2021年度最終プロテストの会場が、今年の日本女子プロの舞台、城陽CC(京都府)だった。
4日間72ホールの戦いを、尾関は通算8アンダーでプレーしてトップ合格。今日に至っている。それだけに、「周りながら(プロテストのイメージを)思い出すかもしれません。プロテストがあった思い出のコースなので、しっかり上位で終われるよう頑張りたいです」と目を輝かせた。
「気が付いたらバーディー、気が付いたらハーフ終わってた」という堀琴音
尾関に続いて猛チャージを見せたのが堀琴音だ。
首位に6打差24位タイから、尾関の次の組でスタートすると、フロントナインを6バーディー、1ボギーでプレーした。バックナインに入ると少し勢いが止まったが、それでもさらに2バーディーを重ねて通算11アンダー。クラブハウスリーダーとして、後続の組を見守った。
「ショットは昨日より良くて、パットもなおかつ入っていたので全体的にかみ合いました。気が付いたらバーディー、気が付いたらハーフ終わってたという感じです」といいリズムで回った18ホール。 上位陣が、スコアを伸ばしては落とすという展開を見守ったが、セキ・ユウティンが12アンダーでホールアウトした時点で優勝はなくなった。
それでも、「昨日伸ばせなかったのが残念ですが、今日ビッグスコアが出せたのが久々なのでよかった」と、3位タイに手応えを感じた。次週の日本女子プロゴルフに向けては、「よい流れで来ているので頑張りたいの一心です。(メジャーは)気持ちは入るんですけど、いつもと何も変わらずやることが一番だと思います」と平常心を誓っていた。
菅沼菜々も、5打差16位タイから7バーディー、1ボギーで猛追。堀と同じくプレーオフに1打及ばない3位タイに終わった。
初優勝を逃した菅沼だが、好プレーに笑顔を見せる。「(スコアボードは)あんまり気にせずやっていました。上がもっと伸びているので優勝はないと思ってやっていました」というものの、これが今季21試合中10回目のトップ10入り。
優勝がすぐそこまで来ている実力を見せており、残りのシーズンが楽しみだ。
完全優勝を逃した勝みなみは、次戦に期待
初日、2日目と首位を守り続け、最終日に完全優勝を狙った勝みなみだったが、バーディー合戦の中、思うようにスコアを伸ばせず、首位に2打差の5位タイに終わった。
この日も「右に振っていく」というスイングの課題を自分につきつけながらのプレーとなった。ティーショットが思うような場所に打てなくては、ボギーが出るのは仕方ない。それでも、仲のいい吉田優利と一緒の最終組は楽しむことができたが、シーズン2勝目はお預けとなった。
「13番と18番でバーディーが取れたので、来週につながったと自分を信じています」と自分に言い聞かせたのは、次に待ち構える日本女子プロゴルフ選手権(9月8日~11日、京都・城陽CC)を意識しているからだ。
ハマればものすごいゴルフをすることは、楽天スーパーレディースでの優勝が証明しているだけに、大一番のプレーからも目が離せない。