◆国内女子プロツアー<日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 9月8日~9月11日 城陽カントリー倶楽部(京都府) 6555ヤード・パー72>
最終日に8アンダー64を叩き出したルーキー川﨑春花が、通算16アンダーで優勝した日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯。敗れはしたが、手に汗握る優勝争いを繰り広げた山下美夢有(3打差2位)、森田遥(5打差4位タイ)、菅沼菜々(4打差3位)。三者三様の国内メジャーに迫った。
2位に終わった山下美夢有「自分のプレーに納得できない」
「今日はスコアを伸ばすことができず、悔しいです」。逆転負けした山下美夢有は、悔しそうに唇をかんだ。
「4つ伸ばせたらいいなと思っていて」とスタートしたが、前日に続いてグリーン上で苦しみ、バーディーパットがなかなか入らない。2打ビハインドから同じ最終組でプレーする森田遥に5番で追いつかれた後は、一進一退の優勝争いに突入した。
バックナインに入って、2組前の菅沼菜々も加わる大激戦。忍耐強くプレーしていたが、そこに割って入ったのがルーキーの川﨑春花だった。
山下が、川﨑の猛攻について知ったのは「15番くらい」。川﨑は12番からの4連続バーディーで単独首位に立っており、一転してこれを追う立場になった。
終盤に入っても、パッティングの調子は上向かず、結局13アンダー止まり。単独2位は死守したものの、上がり2ホールもバーディーとした川﨑には3打差を許す結果となった。
シーズン3勝目、公式戦2勝目を逃した悔しさを隠すことはない。
「誰が勝ってもおかしくない。伸ばし合いの展開になると思っていた。自分のプレーに今日は納得できない」と、最後まで首をかしげていた。
「唯一のミスでしょうがない」17番のOBで力尽きた森田遥
必死に追い上げる気持ちが、OBを誘発してしまった。森田が最終組で山下とし烈な争いを繰り広げるうちに、首位には川﨑が立っていた。
迎えた17番。森田のティーショットは左の林、OBゾーンに吸い込まれていた。
「17番は痛かったですけど、4日間で唯一のミスでしょうがない。しょうがないことはないんですけど、しょうがないと思うしかない」
自分に言い聞かせるように繰り返す言葉が、悔しさをそのまま表していた。1番、5番でバーディーを奪い、山下に追いついた後は、本当に気の抜けない優勝争い。張り詰めた空気の中でプレーを続けていた。10番ボギーの後、12番のバーディーで通算13アンダー。
「いい流れで行けると思いながらやっていたんですけど、なかなかうまくいかず、決め所も微妙なラインだったので…」と、バックナインに入ってからのもどかしさを口にする。
「ベストは尽くせたかなと思います」と言い切ってはいたが、自分の強みであるパッティングが今一つだということははっきりと意識している。
「あとはパッティングさえかみ合ってくれればビッグスコアが出ると思うので、そこはあきらめずに取り組んでいけば結果もついて来るかな」
残りのシーズンへの前向きな気持ちで、話を締めくくった。
初優勝を逃すもマイペースの菅沼菜々「チャンスが来たら優勝したい」
菅沼菜々も、あと一歩のところで勝利を逃した。
初日、7アンダーで単独首位に立ち、2日目も2つスコアを伸ばして首位タイ。3日目に1つスコアを落として優勝争いから一歩後退したが、それでも4打差4位タイ。
最終日は、「最低6個(のバーディーを取りに)行かないと追いつけないと思っていたんですけど、なかなかチャンスにつかずに4つで終わってしまったのは残念」と、通算12アンダー。川崎に4打及ばず3位に終わった。
今季は22試合に出場し、半分の11試合でトップ10入り。限りなく初優勝に近い選手と言われて久しいが、なかなか手が届かない。だが、本人はあくまでもマイペースを貫いている。
「優勝、優勝と言われるんですけど、そうやって常に上位にいてチャンスが来たら優勝したいと思います」と話す。この姿勢こそが、安定した成績の秘訣なのかもしれない。
特にここ4試合は、8位、13位タイ、3位タイ、3位と好調だ。その理由について聞かれると、「なんですかね。フェアウェーキープ率が上がったことかなと思います」と、ショットの安定を挙げた。
優勝は逃したが、「トップ10には残れたので良かったかなと思います」と現実を淡々と受け止め、次の戦いに挑む。