◆国内女子プロツアー<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント 9月23日~9月25日 利府ゴルフ倶楽部(宮城県) 6491ヤード・パー72>
山下美夢有が、ツアー最少ストローク更新の勢いのままに完全優勝を達成した。
25日に最終日を迎えたミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは、初日に12アンダー「60」を叩き出した山下が、通算18アンダーまでスコアを伸ばし、三ヶ島かな、竹田麗央に5打差をつける圧勝でシーズン3勝目を飾った。
リズムだけを意識して淡々とプレー
最初から最後まで笑顔で、でっかいことをやってのけた。
12バーディー、ノーボギーでツアー新記録のスタートダッシュを見せた山下は、2日目に17アンダーまでスコアを伸ばし、8打のアドバンテージを持って最終日に臨んだ。
「(大差の)プレッシャーは特になかったですね。いつも通りしっかりやるべきことをやろうと思ってティグラウンド(ティーイングエリア)に立ったので、なんか強い気持ちで今回は挑めたなと思います」と、いつも以上にマイペースを貫いた。
6月の宮里藍サントリーレディスの優勝から先週まで、11試合続けてトップ10入りを果たしていた。
安定したプレーができているのはまちがいない。だが、惜しいところで優勝に手が届かない。
その理由を探ると、やはり優勝がかかる最終日には、考えすぎていつもの淡々としたプレーができていないことに気が付いた。
コーチでもある父の勝臣氏、アドバイスを受けている中嶋常幸の2人からの指摘を受けて、決断したのはリズムだけを意識すること。
初日のロケットスタートももちろんあったが、最終日にはそれが奏功して完全優勝を成し遂げた。
大会初ボギーの後も気持ちを切り替えて攻め続けた
2番で2メートルを沈めてバーディーを奪った後は、ガマンの時間が続く。6番、7番ではいずれも2メートルのパーパットを入れてしのぎ、11番まではスコアカード通りのプレーを続けた。だが、12番で5メートルから3パットして大会初のボギー。
「結構バーディーチャンスからのボギーだったので、結構メンタル的に痛かったんですけど、切り替えて次のホールから同じミスをしないように回ろうと思いました」と、自分をしっかりと持ち続け、14番でバーディーを奪う。
同じ最終組でプレーする三ヶ島かなと竹田麗央が4つずつコアを伸ばしていたため、差は大きくとも「私もバーディーを取らないと、という気持ちになりました」と、最後まで攻め続けた。
年間女王に向けて次は日本女子オープン
複数回優勝を目標に掲げてきたが、今季からポイント制のメルセデスランキングに一本化された年間女王にも意欲を見せる。
今季は、開幕戦から猛ダッシュを見せた西郷真央が序盤戦を引っ張ったが、8月のニトリレディス終了後に山下がこれを逆転。トップ10入りを続けることでランキング1位の座を守ってきた。西郷が今大会には出場していなかったこともあり、その差は471ポイント以上に広がった。
「まだまだ試合が続くので、しっかりいつも通り上位で戦えるように来週から切り替えて頑張っていきたいと思います」と、気持ちを引き締めた。
次戦は、シーズン3つ目の公式戦、日本女子オープン(9月29日~10月2日、千葉・紫CCすみれC)だが、気負い過ぎることもない。
「力まずやるべきことをして普段通りしっかり、いつも通りのプレーが出来たらいいなと思います」と、地に足をつけた戦いを続けていく。