◆海外女子プロツアー<LPGA Qシリーズ(前半) 12月1日~4日 RTJマグノリア・グローブGC(米アラバマ州) 6677ヤード・パー72>
2023年米女子ツアーの出場権をかけたQシリーズは、12月1日から4日の前半72ホールを終了。70位以内に入って、8日からの後半(ウイークⅡ)へと進むための最終日の三者三様の戦いは、あくまでも序章だが、勝みなみ、西村優菜は自信を深め、識西諭里は泣きながら次週の巻き返しを誓った。首位は通算14アンダーのローレン・ハートレージ(米)。66位タイまでの75人がウイークⅡへ生き残った。
ウイークⅡも4日間、72ホールで、45位以内に入ればツアーカードは獲得できるが、多くの試合に出場するためには20位以内に入る必要があるタフな戦いが続く。
自分のやってきたことに自信を深めた勝みなみ
「初日、2日目のスコアから10アンダーまで伸ばせたのは、自分の中ではよかったのかなと思います」と、勝は自信に満ちた表情を見せた。
3日目に大きくスコアを伸ばして14位タイまで順位を上げて臨んだウイークⅠ最終日。この日も前半は「ショットがピンの方へ飛んでくれなくて、なんでそっちへ行っちゃうのという感じで苦しかった」と、フラストレーションがたまるゴルフ。
パーを重ねてこれを切り抜けて、9番で6.5メートルを沈めて会心の笑み。バーディー必須の10番パー5もきっちりと取って、16番での3つ目のバーディーは3メートルを沈める。
通算10アンダーとして17位タイでウイークⅡへと進む。
シーズン中、たびたび話していたことを再確認する4日間でもあった。
「インサイドアウトでずっとゴルフをやってきたんですけど、その自分のスイングの再確認でした。まずは目の前のことをしっかりやること。自分の決めたことをしっかりやり続けることが大事だと今週も学んだので、来週もやるべきことをしっかりやって、楽しいラウンドをしていきたい」と、自分のゴルフを貫くことを宣言した。
西村優菜は5バーディー、1ボギーで25位タイ
メリハリの効いたプレーで、最終日に4つスコアを伸ばしたのは西村だ。5バーディー、1ボギー、通算9アンダーの25位タイでウイークⅡへ。
「難しいピンの時はしっかり守りに入って、行けそうな距離やピン位置の時には攻めるマネジメントがうまく行ったのかな」と、笑う。
ランがほとんど出ず、ショットも今一つ。必死でプレーした初日から徐々に順位を上げた4日間をこう振り返った。
「すごくタフではありました。長いコースでどうなるのかなと最初は思ったんですけど、アンダーパーで回れたことには自信を持って次の週に行きたいなと思います」。
日本では2勝して、メルセデスランキング5位でシーズンを終えた直後の4日間。疲労もあるが、気持ちは次のウイークⅡへと飛んでいる。
「どんなコースか知らないので、それを見て、また4日間毎日アンダーパーを目標に頑張りたいです」と、あくまでも前向きだった。
ギリギリ通過の識西諭里は涙
プレーする場を求めてQシリーズに挑んでいる識西は、薄氷のウイークⅡ進出となった。
2022年は、最終予選からの全米女子オープン出場も果たしたが、日本のプロテストは最終で20位以内に入れずに不合格(43位タイ)。来季、戦う場を求めての戦いは、まずまずのスタートだったが、最終日は苦しかった。
前半、パットが入らず、流れをどうしてもつかめない。9ホールパーを続けた後で迎えた10番は、バーディーが欲しいパー5。ところが、第2打がバンカーにつかまってボギーにしてしまう。
15番では6メートルのパーパットを入れてピンチをしのいだが、16番では第2打がグリーン手前の池に捕まってダブルボギー。通算2アンダー66位タイと、ギリギリで次週に望みをつないだ。
話はじめると涙が止まらなくなったが、絞り出したのは、「色々あったんですけど、自分で怒ったりしたからよくなかったのかなって思いながら…」という言葉。
ずっと調子の悪いパッティングを調整して、「来週はもっとたくさんバーディーを取れるように頑張りたいです」と、明るい言葉で締めくくった。