◆国内女子プロツアー<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント 9月23日~9月25日 利府ゴルフ倶楽部(宮城県) 6491ヤード・パー72>
ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン終了後、選手たちの明暗がわかれた。
山下美夢有の完全優勝で終わった同大会だが、水面下では優勝争いとは別の戦いが繰り広げられていた。シード権を持たない選手たちが、獲得したポイントで順位を争うシーズン2回目のリランキングが、大会終了後に待っていたからだ。
残る9試合のうち、出場資格が異なる日本女子オープン、TOTOジャパンクラシック、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ以外の6試合すべてに出場できる目安は、リランキング後の25位前後とみられる。
滑り込みで終盤戦への出場権を手にした竹田麗央
第2回リランキング直前に、ベストフィニッシュの2位タイに入って終盤戦の出場権をつかんだのが竹田麗央だ。
昨年11月にプロテスト合格のルーキーは、QTがあまりうまくいかず133位でシーズン入り。出場できる試合でコツコツとポイントを稼ぎ、7月の第1回リランキングで50位まで順位を上げた。
その後、8月のCAT Ladiesで3位タイに入ってポイントを稼いだが、ここ2試合は予選落ちが続いていた。
だが、今大会で山下とは5打差ながら2位タイとなったことで、暫定リランキング20位に浮上。終盤戦への切符を手にした。
「試合は毎週楽しみなので、出れることに感謝して終盤戦頑張りたいと思います」と目を細めた竹田。50位に入ればシード権が獲得できるメルセデスランキングも60位に浮上。
「(シードは)最後、終わっての結果だと思うので、しっかり1試合、1試合ベストを尽くせればいいなと思います」と、気持ちを引き締めた。
毎回、キャディを務める母は平瀬哲子、その妹であるおばは、1993、1994年の賞金女王、平瀬真由美と、身内には女子プロが2人もいる環境で育った。
そのいい影響を受けつつも、自分の足で歩み始めた竹田の戦いは、始まったばかりだ。
初シードに挑む竹内美雪も終盤戦へ
竹内美雪も、初シードがかかる終盤戦に向けて、何とか出場“安全圏”に滑り込んだ。
QTランキング36位でシーズンに臨んだが、序盤戦は8試合中7試合で予選落ちと苦しい戦いが続いた。
ポイント配分の大きいワールドレディスサロンパスカップで7位タイに入って体勢を立て直し、第1回リランキング32位で試合出場の機会をキープした。
ニトリレディス9位タイと時折、上位には入るものの予選落ちも多く、今一つ安定しない。今大会には、「(リランキングは)やっぱり気にしなくても気になりますよね。それが正直だと思うので、気にしてもしょうがないと思ってプレーしました」と、自然体で臨んで通算7アンダー8位タイ。暫定リランキング24位で、かろうじて終盤戦に望みをつないだ。
プロ9年目の26歳だが、まだシードを手にした経験はない。
「今年はシードを取りたいです。シード争いっていうのを意識しないって言ってもしちゃうと思うので、そこは仕方ないと思って、ちょっとでも成長して、1打でもいいスコアで回れるように、日々、努力したいなと思います」と、終盤戦に挑む。
終盤戦への出場が厳しくなったのは・・・
前述の竹田、竹内の他に、今大会でも4位タイに入った上野菜々子が大会後の暫定リランキングで13位に、岩井明愛が同15位に入るなどして、状況は変わった。
目安の25位からはみ出してしまった選手の中には、今大会予選落ちの河本結(大会後の暫定リランキング28位)や吉本ひかる(同29位)、大出瑞月(同31位)、横峯さくら(同33位)、辻梨恵(同35位)、鶴岡果恋(同38位)らがいる。
予選は通ったが微妙な位置にいるのが、石井理緒(同26位)、木下彩(同27位)、木戸愛(同32位)、脇元華(同34位)らだ。
連戦の疲れが出たり、故障したり、新型コロナウイルス感染などもあって選手が欠場することもあれば、マンデーと呼ばれる予選やスポンサー推薦からの出場もあるため一概には言えないが、安心できない状況になったのはまちがいない。
最終予選から次週の日本女子オープンに出場する者もいれば、それ以外の少ないチャンスを狙う者もいる。終盤戦、そして来季の出場権を巡る戦いは、より厳しさを増して続くことになる。