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外国人記者たちとの秘かなる国際交流の話【舩越園子 ゴルフの泉】

2022.06.02

ゴルフジャーナリストの舩越園子さんがPGAツアーを中心に長年のゴルフ取材中に見聞きしたこぼれ話を紹介します!今回は、試合会場で知り合う外国人記者たちと舩越さんが重ねていた国際交流のお話です。

北アイルランド人が抱える複雑な事情

 2009年ごろから、試合会場の近くのコーヒーショップで親しく会話を交わすようになった北アイルランド人の男性記者がいました。

 2011年のマスターズで、北アイルランド出身のローリー・マキロイが3日目を2位に4打差の単独首位で終えた土曜日の夜も、彼はコーヒーショップのテラス席に座っていました。

 「明日、ローリーが優勝したら、夜からはエンドレスで原稿を書くことになる。だから、ゆっくりコーヒーを飲めるのは今夜までだ。まったくもう、迷惑なことだ」

 そう言ったものの、ローリーの優勝確率は「80%以上」と言い切った彼が、母国のスターの優勝を望んでいることは明らかでした。その証拠に、日ごろは口数が少ないその記者が、その夜は妙に饒舌で、私が知らない北アイルランドの話を次々に教えてくれたのです。

 「その昔、アイルランドの島に英国軍が攻め入って、島の北端だけは英国の支配下になった。でも、パスポートは北アイルランドと英国の両方から発行されているんだ、、、」

 その記者も、マキロイも、2種類のパスポートを持っているという事実を初めて知った私は、彼らが抱える政治的、社会的な複雑な事情の一端を、そのとき垣間見たような気がしました。

コーヒーショップでの秘かなる国際交流

2011年のマスターズで最終日にスコアを崩したローリー・マキロイ 写真:Getty Images

 そして翌日。マキロイは折り返し直後の10番でティショットを大きく左に曲げて民家の庭へ打ち込み、そこからガラガラと崩れ落ちていきました。

 その夜。コーヒーショップに再び北アイルランド人記者の姿がありました。

 「ローリーが負けちゃたから、時間ができちゃったよ」

 彼はとても寂しそうな顔をしていましたが、彼らの事情にほんの少しだけ触れることができた私には、コーヒーショップで会話した日々が、秘かなる国際交流のように感じられました。

文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

外国人記者たちとの秘かなる国際交流の話【舩越園子 ゴルフの泉】

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