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1人の男性の人生を取り戻した「ゴルフの力」【舩越園子 ゴルフの泉】

2022.05.20

ゴルフジャーナリストの舩越園子さんがPGAツアーを中心に長年のゴルフ取材中に見聞きしたこぼれ話を紹介します!今回は、ゴルフの世界があるアメリカ人男性の人生を取り戻す力になったというお話です。

収監されていた男性の楽しみはゴルフ場の絵を自己流で描くこと

 1998年の秋。27年間も服役していたアメリカ人男性が、刑務所で描き続けたゴルフ場の絵がきっかけで、冤罪が晴れ、自由の身になったと聞いて、とても驚きました。

 当時48歳だったバレンティノ・ディクソンさんは殺人罪の汚名を着せられ、1991年に逮捕。有罪判決を受けて、ニューヨーク州内の刑務所に入れられました。ディクソンさんはずっと無罪を主張し続けていましたが、その声はなかなか聞き入れてもらえず、戦いに疲れたディクソンさんは、半ばあきらめて服役していました。

 唯一の楽しみは、自由時間に写真や本を見ながらゴルフ場の絵を自己流で描くこと。「美しいゴルフコースの姿に心をひかれ、それを描くことで心が癒された」そうです。

 ディクソンさんの代表作は、マスターズの舞台、オーガスタ・ナショナルの絵です。「ゴルフをしたことはないし、ゴルフ場に行ったこともない。オーガスタ・ナショナルを見たこともない」というディクソンさんですが、パステルで描いた彼の絵はとても美しいものでした。

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ゴルフの世界がゴルフ場以外で発揮した大きな力

 あるとき、アメリカのゴルフ雑誌の記者が刑務所を訪れ、ディクソンさんが描いたオーガスタ・ナショナルの絵を見ながら話しているうちに、彼が無罪を主張していることを知って驚いたそうです。

 それからは、そのゴルフ雑誌の記者と出版社、ディクソンさんが冤罪を晴らすために一緒に戦い、実に6年の歳月をかけて、2018年9月、ついに無罪を勝ち取り、自由の身になりました。

 ゴルフ場の絵やゴルフ雑誌、ゴルフジャーナリストたちによって、一人の男性が人生を取り戻した。それはすごいことでした。ゴルフがゴルフ場以外の場所で、大きな力を発揮したことを知って、私もうれしく思いました。

 素晴らしいゴルフの世界が、この世の中にあってくれて本当に良かった。あのとき、あらためて、そう思いました。

文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

1人の男性の人生を取り戻した「ゴルフの力」【舩越園子 ゴルフの泉】

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