ゴルフというスポーツは万国共通ですが、楽しみ方やゴルフ場でのしきたりなどは、国によって異なります。今回は、日系アメリカ人のメジャーチャンピオンであるコリン・モリカワを取材した時に感じたことのお話です。
「海外に旅してゴルフをすると、自分のゴルフも旅をする」
2021年のZOZOチャンピオンシップに出場するため、日本にやってきたメジャー2勝、通算5勝のコリン・モリカワが、こんなことを言いました。
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「海外に旅してゴルフをすると、自分のゴルフも旅をする」
カリフォルニアで生まれ育った日系米国人のモリカワは、プロ転向後は欧州はもちろんのこと、ドバイ、バハマ、そして日本やアジアにも旅をして、異国の地で数々の試合に出場しています。
その時の来日は彼にとって5度目の日本訪問。「日本のファンは最高。うどんと寿司は最高。コースも最高。とりわけグリーンが最高」と絶賛していました。
アメリカのゴルフ場で感じた日本との違い
1990年代に日本を離れた私が、いきなり触れたアメリカのゴルフは、まさに驚きの連続でした。
駐車場でシューズを履きかえ、ゴルフバッグを自分で担いでプロショップへ行く。プロショップはクラブハウスとは別に併設されている小部屋や小建物であることが多く、そこで料金を支払えば、あとは1番や10番へ向かってスタートするのみ。クラブハウスへ入ることもロッカールームで着替えることもなく、ただプロショップに行くだけでスタート前の手続きは完了です。
トイレはプロショップ周りに設置されているし、アメリカではスループレーが基本なので、クラブハウスの中にあるレストランへ行くこともまずありません。お腹が空いたら、プロショップの隣あたりで売っているホットドッグを買って、カートに乗りながら頬ばれば、それで良し。
そんなアメリカのゴルフの手軽さと簡易さに私は最初は驚かされてしましたが、やがてそれが当たり前だと感じるようになっていったのです。
興奮気味にジャパン・ラブを口にしていたモリカワを眺めながら、私は逆に私自身が渡米したばかりだった1990年代を思い出し、「なるほど、私のゴルフも旅をしたな」と秘かに頷いていました。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)