ケイマン諸島出身のアーロン・ジャービスの未知なる力【舩越園子 ゴルフの泉】

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2022年マスターズ練習日にジョン・ラーム(右)と言葉を交わすアーロン・ジャービス 写真:Getty Images

「マスターズに続く道」として、南米やカリブ海地域のアマチュアを対象に創設されたラテン・アメリカ・アマチュア選手権の2022年大会を見事に制したのは、ケイマン諸島出身の19歳(当時)、アーロン・ジャービスでした。今回は、あまり聞いたことのないケイマン諸島出身プロゴルファーのお話です。

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3つの島に27ホールがある

 そもそもケイマン諸島で、ゴルフはできるのかどうか、ゴルフ場はあるのかどうか、ゴルファーはいるのかどうか。そうしたことを、これまで私は想像したことすらありませんでした。しかし、ジャービスの優勝によって、初めて、そのあたりのことを知ることができました。

 大会側のニュースリリースによれば、ケイマン諸島は人口7万1000人ほどで、ゴルフ場は3つの島に合計27ホールしかないそうです。いやいや、27ホールしかないではなく、「27ホールはある」と表現したほうがいいのかもしれません。

 ジャービスは、米国のUNLV(ネバダ・ラスベガス大学)にゴルフ留学し、ラテン・アメリカ・アマチュア選手権には2019年にも挑み、そのときは予選落ちを喫しました。

 彼の兄も2019年大会と2021年大会に挑んでいることから考えると、ジャービス一家はケイマン諸島では希少なゴルフ一家なのでしょう。

世界中のどこからでもスター選手が現れる

 そんな彼らに、年に1度とはいえ、「勝てばマスターズ」、さらには全英オープンや全米アマ、全英アマへの道も開ける「ラテン・アメリカ・アマチュア選手権」という大会が存在していることは、何よりうれしくありがたい天の恵みです。

 ジャービスの世界アマチュア・ランキングは当時1669位。一方で、アジア・パシフィック・アマチュア選手権を制した日本の中島啓太は堂々の1位。そんな2人が、どちらも2022年のマスターズに挑んだことは、ゴルフの世界の門戸が本当の意味で広く開かれ始めたことを意味しています。

 世界中のどこからでもスター選手が現れる。少なくとも、そのためのチャンスがある。そんな時代がようやく到来しつつあるのです。

文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

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