今年はアメリカとヨーロッパの対抗戦、ライダーカップが開催される年ですが、前回大会でアメリカチームのキャプテンを務めたスティーブ・ストリッカーはライダーカップである願いを思い続けています。
歩いてきた道は正反対。それでも最高の友であるタイガーとストリッカー
アメリカとヨーロッパの対抗戦、ライダーカップで、2021年にアメリカチームのキャプテンを務めたスティーブ・ストリッカーと、タイガー・ウッズの友情物語は、彼ら2人がアメリカツアーでともに輝き始めた1996年から始まりました。
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超エリートのウッズは1996年にプロ転向し、いきなりアメリカツアーで年間2勝を挙げました。
一方のストリッカーは、大学卒業後に4年以上もミニツアーや下部ツアーで下積み時代を経験後、アメリカツアーに辿り着き、1996年にようやく初優勝と2勝目を挙げました。
その後、2人はそれぞれのスピードでトッププレーヤーへの階段を昇っていったのですが、ウッズが最強時代を迎えた2003年ごろからストリッカーは大スランプに陥りました。
しかし、ストリッカーは2006年、2007年に大復活を遂げ、2年連続でカムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞。そんな復活劇の陰でストリッカーを励まし続けていたのがウッズでした。
タイガーがライダーカップでキャプテンを務めるときは…
そうやってストリッカーがトッププレーヤーに返り咲いたころから、今度はウッズが膝の手術や不倫騒動、たび重なる腰の手術で戦線離脱や欠場を繰り返すようになりました。そんなとき、いつも陰で激励していたのがストリッカーでした。
これまで2人はライダーカップなどのチーム戦で何度もペアを組み、息の合ったプレーぶりを披露してきました。
2016年のライダーカップでは2人揃って副キャプテンを務め、アメリカ選抜と世界選抜の対抗戦であるプレジデンツカップでは、2017年にキャプテンを務めたストリッカーをウッズが副キャプテンとして支え、2019年には逆にキャプテンを務めたウッズをストリッカーが副キャプテンとして支えました。
いつか、どちらかがライダーカップでキャプテンの重責を担うときは、必ずどちらかが副キャプテンを務めて支え合おう。ストリッカーとウッズは、そんな夢を抱くようになっていったのです。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)