勝負カラーの効果は実際にスコアに反映される!?【舩越園子 ゴルフの泉】

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タイガー・ウッズの勝負カラーは“赤” 写真:Getty Images

勝負カラーはなるゲン担ぎにすぎないということなのかなぁと思っていたのですが、最近になって「勝負カラー」にはやっぱり意味があることがアメリカの研究グループによって発表されました。今回は選手たちがこだわる勝負カラーについてのお話です。

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アメリカではアンダーをレッドナンバーと呼ぶ!

 アメリカの研究グループによると、「色」は思考レベルではなく感情レベルで特定の作用をもたらすのだそうです。


 たとえば、アメリカでは1アンダーとか、2アンダーといったゴルフのアンダーパーの数字のことをレッドナンバーと呼ぶのですが、赤い花や赤い服などを見たときに「よし、レッドだから今日はレッドナンバーを出そう」という具合に、目にした色が思考レベルで影響を及ぼすわけではありません。

 そうではなく、レッドカラーを見ると「興奮」して元気が出るのだそうです。オレンジ色を見ると「自信」が沸き、黄色を見ると「クリエイティビティ」が沸き出す。ブルーは「信頼」、白は「クリーン」「正直」といった作用、効能があるそうです。

 つまり、自分の心のニーズにマッチする色こそが「勝負カラー」になりえるというわけです。


 そして、必ずしも勝負カラーのウエアを着なくても、ボールにラインを引く際に、勝負カラーのサインペンで描いておけば、プレー中にボールを見つめるたびに、その色が視界に入り、そのたびにメンタル面にいい作用をいただくことができるのだそうです。

 先日、私は半信半疑でこれをさっそく試してみました。赤いラインを引いたボールを使ってみたら、元気が出て、しっかりパットできたような気がしました。 

ウエアの色だけで3打も良くなるかも!

赤いセーターを着て1992年全米オープンを制したトム・カイト 写真:Getty Images

 「色」がプレーヤーの心理に影響を与える影響は、「少なくとも0.5打、多ければ2打から3打ぐらい変わることもある」という説明には、とても驚かされました。

 しかし、タイガー・ウッズが、最終日に彼の勝負カラーであるレッドシャツを着てメジャー15勝、通算82勝を挙げましたし、松山英樹もマスターズを制したあの最終日は、彼の勝負カラーである黄色のシャツを着ていました。

 その昔、トム・カイトという選手が活躍した1980年代から1990年代にかけての時代、彼はスポーツ心理学者のボブ・ロッテラ博士からメンタル・トレーニングを受けていました。

 当時のゴルフ界においては、メンタル・トレーニングは珍しい存在で、メンタル・トレーニングに首を傾げる向きも多かったのですが、カイトは「ボブ・ロッテラ博士との出会いが僕のキャリアの転機になった」と感じていました そのメンタル・トレーニングにおいて、ロッテラ博士が重視していたのが、ウエアの色だったそうです。

 ロッテラ博士はカイトに、「状況に応じて自分のウエアの色を選ぶように」と指導していました。冷静にプレーしたいと思うときは、心に平穏をもたらしてくれる青やスピリッチュアルな空気を感じさせてくれる紫を勧め、気持ちを高ぶらせたい、強さが欲しい、エネルギッシュなゴルフをしたいと感じるときは「赤」を勧めていました。

 そして、1992年にぺブルビーチで全米オープンを制したカイトのウエアは赤いセーターでした。

 「メジャーで勝てたのはロッテラ博士のおかげだ」と言ったカイトの言葉は、「色がもたらす効用を教えてくれてありがとう」という意味だったのです。

 ウエアの色次第で本当にスコアが0.5打から3打ぐらいまで変わるのだとしたら、それはすごいことです。ウソのような本当の話、信じるかどうかは、みなさん次第です。

文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

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