2020-21年シーズンのツアー選手権を制したパトリック・カントレー。今回は、マスターズでのローアマ獲得など、大学時代から超有名だった彼の強さに関するお話です。今季はメジャー制覇の期待も膨らむ存在です。
目立たない存在だけれど、その実力は本物
2020-2021年のアメリカツアーの最終戦、ツアー選手権を制し、年間王者に輝いたのは29歳のアメリカ人、パトリック・カントレーでした。
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年間王者に授けられたビッグボーナス15ミリオンダラー、日本円にして約20億4000万円(3月4日現在)を手に入れたカントレーは、一躍ビッグスターと化しました。
しかし、「パトリック・カントレーって、こんなに強い選手だったの?」と、少々驚いたゴルフファンは少なくなかったのではないでしょうか。カントレーの名前や存在を「初めて知った」「初めて意識した」といった声も聞かれました。確かに、以前のカントレーは、あまり目立たない存在でした。
しかし、2020-2021シーズンに挙げた4勝は、いずれも手に汗握る接戦を制した上での圧巻の勝利でした。
ZOZOチャンピオンシップではジョン・ラームとジャスティン・トーマスを1打差でかわし、メモリアル・トーナメントではサドンデス・プレーオフ1ホール目でコリン・モリカワを下しました。
BMW選手権では6ホールに及んだサドンデス・プレーオフでブラインソン・デシャンボーを抑え込み、最終戦のツアー選手権では、ミスしてもダメージを最小限に抑えて切り抜け、2位のラームに1打差で逃げ切り優勝しました。
一躍、時の人となったカントレー

「プレッシャーと戦うゴルフが大好きだ。そのためにゴルフをやっている」と言い切ったカントレーの人気は急上昇。どんな状況でも氷のようにクールに対処して勝利を重ねたカントレーには、「パティ・アイス」というニックネームが付けられました。
ツアー選手権の優勝トロフィを掲げたカントレーの前にアイスキューブが山積みされたイラストがデザインされたTシャツまで発売され、飛ぶように売れたとか、売れなかったとか――。
そんな噂までもが話題になるほど、カントレーは時の人と化しました。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)