4大メジャーを制するグランドスラムのような公式の記録ではありませんが、「なんとかスラム」とか、「なんとかシリーズ」というものがゴルフ界にはいくつかあります。今回は、丸山茂樹プロからPGAツアーに参戦している頃に聞いた彼らしい「シリーズ」に関するお話です。
次にグランドスラムを達成するのは誰?
マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロというメジャーの4大会があり、この4つすべてを制覇することを「グランドスラムを達成する」と言います。グランドスラム達成は大変な偉業です。
近年、グランドスラムをやってのけたのは、2000年のタイガー・ウッズが唯一です。
そのほかにも、たとえばテキサス州内で開催されるアメリカツアーの大会は4つあるのですが、その4つすべてを制覇することは「テキサススラム」と呼ばれており、オーストラリア出身のアダム・スコットが2013年に達成しました。
丸山茂樹プロが勝手に名付けた「銅像シリーズ」とは
そういえば、かつてアメリカツアーで戦っていた丸山茂樹プロは、彼が勝手に名付けた「銅像シリーズ」を迎える初夏になると、いつも笑顔を輝かせていました。
丸山プロが通算2勝目を挙げたバイロン・ネルソン選手権の会場には、バイロン・ネルソンの銅像が建てられています。
そしてその翌週の大会の会場、コロニアル・カントリークラブには、ゴルフ界のレジェンド、ベン・ホーガンの銅像があり、その後に続くメモリアル・トーナメントの会場、ミュアフィールド・ビレッジには帝王ジャック・ニクラスの銅像があります。
だから、丸山プロはこの3大会を「銅像シリーズ」と名付け、楽しい雰囲気を自ら演出してモチベーションを上げようと工夫していたのです。
それにしても、ネルソンやホーガンの銅像は彼らが亡くなったあとに建てられたのに、なぜニクラスの銅像は彼がまだまだとても元気な今、すでに建てられているのでしょうか?
それは私にとっては、アメリカのゴルフ界の「不思議シリーズ」に数えられる謎の1つです。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)