イケメンプロゴルファーの代表格として名を馳せた矢野東選手も今や二児のお父さん。イクメンパパとなっています。今回はそんな矢野プロが初めて全米オープンに出場した時のお話です。
予想を覆す4位の好スタート!
2009年の全米オープンで、日本の矢野東選手が予選2日間で大健闘し、4位に浮上したことがありました。
その大会は初日も2日目も断続的な嵐に見舞われ、その断続的な嵐の合間を縫って、どんなタイミングでスタートしてプレーをしたかによって、あからさまに運不運が分かれる展開になりました。
その意味で、2日間ともグッドタイミングで回った矢野選手は、2日目を終えたとき、4位に浮上。「日本人だって、やれるんですよ。日本のゴルフのレベルは決して低くないんです」と、とても嬉しそうで、とても誇らしげで、意気揚々としていました。
しかし、彼は決勝2日間では、大観衆の注目を浴びるメジャー大会の雰囲気にのまれ、「1番ティで手が震えた」という緊張ぶりで後退していきました。
その経緯を、私はゴルフ雑誌の原稿に、「矢野の予選2日間での4位浮上は天候に恵まれたラッキーの産物だった」と書きました。
実は傷ついていた矢野東の心
それから数か月後、矢野選手が自身のブログで、私が書いた記事に触れていることを知り、ちょっぴり驚きました。矢野選手は「燃え上がる気持ち」というタイトルを付けて、こう綴っていました。
「舩越園子さんの記事を読んだ。彼女の文章はすべて正論。悔しいけど現実」
しかし、その先には、こんな続きがあったのです。
「僕が言いたかったのは、全米オープンがはじめましての矢野東には強烈だったということです」
矢野選手は、自身の胸の内を、そう綴っていたのです。それは、彼が私の記事を読んで少なからず傷ついたことを示していました。
そんな彼の気持ちを知って、私はすぐにアクションを起こしました。この続きは次回に。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)