マスターズの優勝者に贈呈されるグリーンジャケットですが、実はオーガスタナショナルGC以外の場所で着用できるのは翌年のマスターズまでなんです。今回は、そんなグリーンジャケットにまつわるお話です。
1年後からはオーガスタナショナルGC内でしか着用できない
マスターズを制して、夢にまで見たグリーンジャケットを手に入れたら、何をしようか、どこへ行こうか。マスターズ優勝を目指すゴルファーなら、きっと誰もがそんな想像を膨らませていることでしょう。
マスターズ・チャンピオンに授けられたグリーンジャケットは、翌年のマスターズまでの1年間だけは、優勝者が好きなときに好きなように着ることができるのですが、1年後からは、オーガスタ・ナショナルのロッカーにしまわなければならず、そこから先は、オーガスタ・ナショナルの中では自由に着られるものの、持ち出しは許されない門外不出となります。
だからこそ、マスターズで優勝してグリーンジャケットを羽織ったら、その直後から、何をしようか、どこへ行こうかと優勝者はアイディアを巡らせるのです。
松山英樹も日本のどこかでグリーンジャケットを着て出かけていたかも!?
たとえば、アメリカで国民的人気を誇るフィル・ミケルソンは、マスターズ3勝目を挙げたその日の夕方、グリーンジャケット姿でオーガスタ市内にあるドーナツショップへ車で乗りつけ、お店のスタッフや来店客を驚かせました。
2018年大会の覇者、パトリック・リードは、優勝の翌日、グリーンジャケットを羽織ったまま車を運転し、ファーストフードのチキン・サンドイッチ・ショップへ行き、ドライブスルーの列につきました。お店のスタッフは注文されたサンドイッチやポテトフライを「はい、どうぞ―」と窓越しに渡そうとして、びっくり仰天。思わずリードと一緒に記念撮影をしていました。
松山選手は、アトランタ空港でグリーンジャケットを大事そうに腕に下げたまま搭乗ゲートに向かう姿がツイッターで投稿され、話題になりました。
松山選手がアメリカ人選手たちのように、グリーンジャケットを羽織って飲食店に行くことは多分なかっただろうと思いますが、もしかしたら日本のどこかで、グリーンジャケット姿で現れていたかもしれませんね。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)